お辞儀の手の位置☆手を重ねる(組む)のはNG!日本式の正しいやり方は?

お辞儀

お辞儀の正しいやり方って知っていますか!?

日本人の私たちは日常的にお辞儀をしていますが、その中でも正しい手の位置があるってご存知でしょうか?

手を重ねる(組む)のはNGって聞いたことあるけど、本当はどうなの?
日本式の正しいお辞儀はどうすればいいの?

知らずに間違っていたりするのが一番恥ずかしいですよね。

人との出会いで第一印象をより良いものにするために、好感度アップするお辞儀の正しいやり方と手の位置についてご案内しますね。

お辞儀について

人との出会いで挨拶は欠かせませんよね。

お辞儀とは、相手に対して腰を折り曲げることで、挨拶だけでなく感謝や敬意を表すことをも意味します。

お辞儀の「辞」は言葉、「儀」は形です。

言葉と形が一緒になったものが本当のお辞儀になります。

礼儀作法としては、心が伴っていることが必要となります。

心は目には見えませんが、言葉や行動、表情、服装で表すことができます。その中の一つがお辞儀なのです。

お辞儀は、その昔「自分の首を差し出す姿は、敵意がないことを示していた」ということに由来するといわれています。

日本では鎌倉時代に武家の作法による礼儀が確立され江戸時代まで続きますが、明治時代になるとヨーロッパの思想が入り、それ以降は女子の行儀作法として教えられるようになります。

お辞儀には

  • 立礼(りつれい)」
  • 座礼(ざれい)」

の2種類があります。

さらに「立礼(りつれい)」は、

  • 会釈
  • 敬礼
  • 最敬礼

の3種類に分類されます。

「立礼(りつれい)」の基本は、目線を下にし、首筋をまっすぐ伸ばしたまま上体全体を前に傾けます。

会釈」は、軽い挨拶の時に行うお辞儀で、まっすぐに立った状態から上体を前に15度くらいの角度で倒します。

敬礼」は、お客様に対して行うお辞儀で、「会釈」よりもやや深く30~45度くらいの角度で上体を前に倒します。

最敬礼」は、感謝の気持ちを表す時に行うお辞儀で、ゆっくりと深く60~70度くらいまで頭を下げます。

では、手の位置はどうでしょうか?

一般的に教えられているのは、「右手を下、左手を右手の上に重ねる」方法です。

昔、武士が『刀』を抜く時、右手で左腰にさしてある刀を抜ことから、
左手で右手を隠すことが『あなたに敵意はなく味方です。危害を加えません。』

いう意味となるためにそのようにするのがよいと沢山のマナー教室では教えています。

また、女性がお辞儀する時に前で手を組むのは、「貞節を示す」という説もありました。

しかし、日本では手を重ねる(組む)のはNGだと知っていましたか?

お辞儀の手の位置☆手を重ねる(組む)のはNG!

現代マナーの指導では、「お辞儀をする時は手を体の前で組みなさい」と教えられますよね。

大企業などのマナー教室ではこちらのやり方が一般的となっていますし、私も実際職場でそう習った記憶があります。

でも小中高では、「気をつけ!礼!」は、上の絵のように、手を重ねて肘を張っていませんでしたよね。

社会に出ると、どうしてそれが崩されるのでしょうか・・・まぁお察しだなとは、大人になってから気付きましたが。。。

上の絵のような肘を張って身体の前で手を組むお辞儀は、韓国の「コンス」というお辞儀の仕方なのです。

インスタでもよく見かけますが、お着物を着て上の絵のように手を組んでいるのは、日本式ではありません。見てすぐ分かります。

大河ドラマなどの時代劇の女性や、皇室の女性の所作をよく見てみると分かると思います。

文化によってさまざまな作法があり、伝統を重んじることは大切だと思いますが、日本では自然体をよしとしています。

人間の腕は、自然に垂らした状態だと体の横についているので、体の前で手を重ねて(組む)ひじが突き出たかたちはNGと考え、不自然な体勢で人と接するのは、失礼にあたるとします。

そういえば、和食のマナーでも、肘は突き出さないように教えられますよね。

肘が隣の人に当たらないようにとの配慮が、日本のマナーの基本だと思います。

手を身体の前で組んでしまうと、肩が前に出て胸が閉じた状態となります。

手を組むという動作は、不安から逃れて安堵を得ようとする動作なのです。おまけに、へりくだり過ぎる態度にも映ってしまいます。

逆に、腕を自然に垂らした状態だと、胸も自然に開いた状態となり、相手に誠の心を伝えることとなるのです。

手を前に組むことは、謙虚さとつつましさを表しているように思われがちですが、日本では「我を張ること」という意味になり失礼な行為に当たるのです。

上記のこの本の表紙にも、左が○、右が×と出ていますね。

小笠原流礼法

では、日本式の正しいお辞儀とは、どういうふうにやるのでしょうか?

お辞儀の手の位置☆日本式の正しいやり方は

鎌倉時代から代々幕府に仕えている「小笠原流」が日本での正しいやり方を今に伝えています。

身体の自然な動きに沿って無駄を省いた動きとなる礼法なので、綺麗で洗練された動きとなっています。
その際、意識されていろのが以下の4つです、

  1. 正しい姿勢の自覚
  2. 筋肉の働きに反しない
  3. 物の機能を大切にする
  4. 環境や相手に対する自分の位置を常に考える

これらすべてが調和しているのが、綺麗なお辞儀とされています。

では、具体的にどのようにするのでしょう。

正しい日本式の立礼は、よい姿勢から始めます。
足を揃えて立ち、手は身体の横でまっすぐ伸ばしてそろえます。
自然に手が定まる位置を出発点とします。
腰を折るように身体を倒し、首と背中がまっすぐなまま上体を前に倒していきます。このとき首だけを丸めないように注意してください。
この動き(屈体)をすると、両手は自然と前にでてくるので、そのまま腿(もも)の上を滑らせて、膝頭(ひざがしら)に向け静かに移動させます。
指先に意識をおき、指はきちんと揃え、両手は自分から見て「八の字」にしていきます。
そうすると上品で優雅なお辞儀となります。

これが、日本式のお辞儀の正しいやり方です。

お辞儀の角度は、手の位置で覚えるとよいでしょう。

お辞儀には主に3つの種類があります。

●一番浅い会釈(15度)は、両手が腿のやや前にくる程度です。

●敬礼(30~45度)では、両手は、膝頭と足の付け根の中間までおろしてください。

●一番深い最敬礼(60~70度)では、両手の指を膝頭上までおろしたところで止めます。

お辞儀の深さで心の深さを表します。

わかりやすい動画を添付しておきますね。

本当に綺麗ですね!

挨拶とお辞儀は、礼儀の基本ですのできちんと身に着けておきたいものです。

このお辞儀さえ身に着けておけば、いざという時に失礼なく振る舞えますね!

日本の美しい伝統は繋いでいきたいものです。

まとめ

■お辞儀について
→お辞儀とは、相手に対して腰を折り曲げることで、挨拶だけでなく見えない心の中の感謝や敬意を表すことを意味します。

■お辞儀の手の位置☆手を重ねる(組む)のはNG!
→日本では「我を張ること」という意味になり失礼な行為に当たります。

■お辞儀の手の位置☆日本式の正しいやり方は
→日本では、身体の自然な動きに沿ったお辞儀をします。首と背中をまっすぐ曲げ、手は自然に腿の前へ移動させ八の字にしていきます。心の深さで身体の角度が異なり主に3種類あります。

以上になりますが、いかがでしたでしょうか?

皆さん、小学生の頃は正しく教えられて行っていたような気がします。でも社会人になって、色んなやり方が入り乱れ、いつしか日本式でないものも入って来たのでは?と思います。

神前式の結婚式で、正しい「礼」が出来ないのは、かなり恥ずかしい思いをします。

日本の美しい伝統や所作を身に着けて、人間関係も円滑に行っていきたいですね♡

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